淋病について
淋病とは、淋菌と言う細菌に感染することで起こる感染症です。尿検査で淋菌を判定します。主な感染経路は性行為ですが、近年オーラルセックスで感染するひとが急増しています。その場合には、咽頭の淋菌検査が必要です。
淋病の症状
男性の場合
▦ 排尿時の尿道の痛み。
▦ 不透明な黄色い膿がどろどろと常に出る。
▦ 咽頭痛
女性の場合
▦ おりものが多い。
▦ ふつう痛みはない。
▦ 咽頭痛
淋病の治療法
抗生物質の注射を1回、または内服を1回投与することで治療します。
淋病の予防
性交時にコンドームを着用することが淋病の予防になります。
クラミジアとは?
クラミジアとは、クラミジア・トラコマチス(CT)と言う病原体が尿路や性器に感染することによって起こる感染症で、主に性行為によって感染します。
初期症状が出にくいため、男性では睾丸や前立腺まで、女性では卵巣や卵管まで菌が感染し慢性化することもあります。女性不妊症の原因となるといわれています。
淋菌とおなじように、咽頭感染が増加しています。
クラミジアの症状
男性の場合
▦ 尿道のむずがゆさ。
▦ 半透明の白い膿が少量出る。
女性の場合
▦ 自覚症状はほとんど無い。
クラミジアの治療法
抗生物質の内服を1日行うことで治療します。約2週間内服する抗生剤を選択することもあります。
クラミジアの予防
性交時にコンドームを使用することが有効ですが、100%では無く、またクラミジアは性器から口へ、口から性器へ感染することもありますので注意が必要です。
梅毒について
梅毒とは、梅毒トレポネーマと言う病原体に感染することで起こる感染症です。
おもに性行為により、皮膚や粘膜の小さな傷口から血液内に侵入します。
オーラルセックス時には、咽頭から菌が侵入することもあります。
梅毒の症状
第1期(感染後3週間~3ヶ月)
性器等感染した場所に、おできとは違う直径1~2cmの痛くない硬いしこり、またはびらんが1個あるいは多数でき、2~3週間で消えます。
第2期(感染後3ヶ月~3年)
梅毒トリポネーマは、血管やリンパ管を経て全身に散布され、皮膚・粘膜の発疹としては色んなタイプの物が出ます。
治療しなくても自然に消退します。
梅毒の治療法
抗生物質の内服を1~3ヶ月行うことで治療します。
梅毒の予防
性交時にコンドームを着用することが梅毒の予防になります。
エイズとは?
エイズとはヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊することでウイルスや病気に対する抵抗力が弱くなってしまう感染症です。
エイズは、血液、精液、膣分泌液に多く含まれていて、粘膜や小さな傷口等から感染します。主な感染経路は、性交渉、母子感染、注射器の回し打ちによる血液を介した感染で、日常的な接触による感染はありません。
エイズの症状
エイズの治療
現在、エイズを治療する薬は開発されていないので、完治することはできませんが、発症を遅らせることは可能になりました。
エイズの予防
エイズは、血液、精液等により感染しますので、髭剃り等の皮膚を傷つける恐れのある日用品の共用はしない、性交渉時にコンドームを着用する、という注意が必要になります。
尖圭コンジローマとは?
尖圭コンジローマとは、HPV(ヒト乳頭腫ウイルス)と言うウィルスに感染することで起こる感染症です。
主に性行為によって感染します。
尖圭コンジローマの症状
性器(男性:亀頭および亀頭の周囲の包皮。女性:膣入り口の周囲や、膣内)に細長いタイ米のようなピンク色のイボが多数できて、数ヶ月でどんどん増えます。
尖圭コンジローマの治療
CO2レーザー等で焼く外科的手術や、液体窒素冷凍凝固術、ぬり薬による治療法があります。しかし、尖圭コンジローマは再発性が高いので術後の経過観察が必要になります。
尖圭コンジローマの予防
性交時にコンドームを使用することが、尖圭コンジローマの予防になります。
毛じらみとは?
毛じらみは陰毛部に寄生します。まれにわきのしたの毛や、まつ毛に付くこともあります。
主に性行為によって感染しますが、まれに親子間で感染することもあります。
毛じらみは体長1~2mmという大きさでよくみると見えますが、毛の根元に食い込んでいるので、見逃しやすいです。
毛じらみの症状
寄生した部位に激しいかゆみが発生します。
毛じらみの治療
シラミ用殺虫剤の塗布で治癒します。シャンプータイプの物もあり便利です。卵には効果が無いので、約2週間使用し続ける必要があります。
毛じらみの予防
毛じらみは他の性感染症とは異なり、コンドームで予防することができません。毛じらみの保有者と性交渉を避けることが重要です。
性器ヘルペスとは?
性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスで起きる感染症で、性器に赤いブツブツや水ぶくれができます。
主に性行為によって感染します。
一度感染するとウイルスが神経の中に住み着き、体調の悪い時に再発します。
性器ヘルペスの症状
性器に小さな水泡が多数できて、それが破れて痛がかゆくなります。
性器ヘルペスの治療
抗ウイルス剤の塗布・内服を行うことで治療します。
性器ヘルペスの予防
性交時にコンドームを使用するのが有効です。性器ヘルペスは、性器に症状がなくても、菌を排出していることがあるため、症状のない相手からヘルペスが感染することがあります。