尿失禁について
尿失禁の種類には、「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」などがあります。
腹圧性尿失禁
尿道や肛門、膣を支えている筋肉(骨盤底筋)が老化、運動不足、出産、肥満などによって弱まるために尿道が十分に締まらなくなり、くしゃみや笑うなど、おなかにわずかな力が加わっただけで尿が漏れ、日常生活に支障をきたす状態です。
切迫性尿失禁
「トイレに行きたいな」と思ったら、すぐにトイレに行かないと我慢ができずに漏れてしまう状態です。
尿失禁の治療法
腹圧性尿失禁
「干渉低周波による膀胱等刺激法」という治療を行います。「ウロマスター」という機械で尿道括約筋に電気刺激を与え、筋肉を鍛えることによって尿失禁を治療します。薬物治療も行なわれ、重度の場合は手術を勧めることがあります。
切迫性尿失禁
排尿を我慢する訓練を行い、徐々に我慢する時間を延ばしていきます。併せて骨盤底筋を鍛える訓練も行います。効果が無い場合は、並行して薬物療法も行われます。
膀胱炎について
膀胱炎とは、膀胱に細菌が侵入して炎症を起こした状態を言います。女性は男性に比べて尿道が短いので、男性に比べて膀胱炎にかかりやすいです。
膀胱炎の症状
▦ 頻尿
▦ 排尿痛
▦ 尿混濁
膀胱炎の治療法
抗菌薬(抗生物質)を適切に服用すれば、1週間程度で症状は改善します。
膀胱炎の予防
▦ 尿をがまんしない。
▦ 水分を多く摂るようにする。
▦ 外陰部をきれいに保つようにする。
▦ 風邪や疲労に気をつける。
過活動膀胱とは?
過活動膀胱とは、自分の意思とは関係なく、膀胱の筋肉が勝手に収縮されてしまう病気で、「トイレが近い」「尿意が我慢できずに漏れてしまう」といった症状があげられます。
女性は男性に比べて尿道が短く、構造が異なるので、過活動膀胱になりやすいです。
過活動膀胱の治療法
過活動膀胱は、体内の副交感神経から分泌されるアセチルコリンによって、膀胱の筋肉が収縮されることによって起こります。そのため、アセチルコリンの働きを抑える「抗コリン薬」を服用することで膀胱の筋肉をゆるませ、尿が溜められるようにします。併せて尿意を我慢する訓練も行います。
抗コリン剤以外の効果的な薬も使用することがあります。
血尿について
血尿とは、尿の中に血液が混ざっている状態を言います。肉眼で血液が混ざっているのが分かる「肉眼的血尿」と、顕微鏡で見ないと分からない「顕微鏡的血尿」とがあります。
血尿の症状が出るということは、腎臓、尿管、膀胱、尿道、尿路のどこかが、がん、結石、炎症などで出血しているということです。
血尿の治療法
出血の原因によって治療法が異なりますので、診察を受けた上で治療しなければなりません。
血尿の精査
超音波検査、内視鏡検査、尿細胞診、尿中NMP22、CT検査等を組み合わせて行います。
また、血液検査、尿蛋白定量等、腎炎との鑑別も必要です。